ビューティ・コラムcolumn
第84回 ニキビ、赤ら顔の治療:ジェネシスとビタミンC導入を比較しました。
ニキビと赤ら顔の患者様が来院されました。開口一番「ニキビにレーザーを照射して一気に治してください」とのリクエストがありました。ニキビをやっつけるレーザー、レーザーより光の弱いLEDまで含めるといろいろあります。一番波長の短いには、ブルーレーザー、あるいはLEDで、これはアクネ菌をやっつける殺菌作用があるといいます。でもアクネ菌はニキビに本当に悪さしているのではなく、悪化因子の一つなのです。
上はニキビのメカニズムですが、毛穴に皮脂がたまるとアクネ菌が増加して、皮脂を遊離脂肪酸に分解して活性酸素を作ります。
また、 毛穴の細胞も皮脂が詰まらないようにと、皮脂を分解して、活性酸素を生じます。ですから、活性酸アクネ菌かで光線療法でやっつけても、肝心の悪さをする活性酸素は、毛穴の細胞が、せっせと作っているので、効果は疑問です。 またアクネ菌を殺すのであれば、波長が短いブルーライトを使用しますが、波長が短いので、皮膚にはあまり入りません。 アクネ菌を消去ないし、減らすのには、保健適応の抗生物質の内服や外用のほうが効果があります。
確かに、クレーターを治すフラクショナルタイプのレーザーは、一時的にニキビの発生を抑えます。しかし、ダウンタイムが問題になります。患者様の希望にそって、ジェネシスを照射しました。 モニターになっていただき、右頬だけ、低出力で照射しました。写真では向かって左側です。 照射前と照射後、差が出ません。
照射前、もともと向かって左、これから照射する側のほうがやや赤みが薄いです。
向かって左のみ照射、あまり変化はありません。
ビタミンC導入後です。両頬ともかなり赤みがひいています。さらに、ビタミンC誘導体のイオン導入を両頬に行いました。 両頬の赤みが大幅に低下してしています。当院でもニキビのトータルセラピーのひとつとして、ジェネシスを使用しています。ただし、ジェネシス単独で使用するのではなく、その後必ず、ビタミンCのイオン導入、外用剤の電子穿孔などを行い、活性酸素を、十分に除去するようにしています。レーザーだけでなく、レーザービタミンC導入などを含む、トータルスキンセラピーそれがニキビには大切だと思います。