ビューティ・コラムcolumn

第83回 ニキビの治療法:なぜニキビをつぶしたらいけないのか?

青山ヒフ科クリニックには、ニキビをつぶされて、クレーターになったという患者様がたくさん来院されます。

今回は、なぜニキビをつぶすと、クレーターになるか、詳しく説明します。

ニキビでは、真皮の深いところにある皮脂腺を中心に、活性酸素をたっぷり含んだ炎症性の細胞がたくさん集まっています。

炎症性の細胞のイメージです。 赤いボールだと思ってください。

炎症性の細胞がたっぷりあるので、赤いボールをたくさん書くことはできませんでしたが、イメージ的には上の図のようなものだと思ってください。実際には小さい炎症性の細胞一つ一つが、赤いボールになります。この赤いボールは、柔らかくて、つぶれやすいイクラのようなものだと思ってください。ほほ骨の上にニキビがたくさんあったとします。 それを上から圧出します。圧出には、上から圧力をかけることが必要です。頬骨の上の皮膚の部分にイクラをまぶして、その上にサランラップを置いたと想像してください。サランラップを押すと、柔らかいイクラはすべて潰れます。圧出をすると皮膚の中の炎症性細胞がつぶれます。

実際には、皮膚の中でこのような現象が起き、皮膚には活性酸素が満ち溢れコラーゲンなどの皮膚組織を破壊します。アトピー性皮膚炎でも表皮直下で活性酸素をだす細胞が暴れますが、この時表皮もダメージを受けます。 表皮がダメージを受けるような、浅い部位で起こる反応はクレーターにはならないのです。 アトピー性皮膚炎でクレーターを作る患者様はまずいません。これに対して、ニキビでは、真皮中層の深いところで、炎症性細胞周囲の皮膚が破壊されます。 表皮は全くダメージを受けません。ですから、深いところでへこんだ皮膚を持ち上げようとする反応がほとんど起きない、起きてもすごく弱いのです。ですから、つぶした後、何もケアしないとクレーターが生じるのです。青山ヒフ科クリニックでは、激しい炎症を起こしているニキビは圧出せずに活性酸素を消去し、コラーゲンの合成を促進する、高濃度ビタミンC誘導体やビタミンBなどを皮膚に直接注射するアンチアクネメソセラピーを行います。当院のアンチアクネメソセラピー溶液は、僕が1年以上かけて作った、非常に高濃度なもので、市販のニキビ用のメソセラピー溶液よりずっと濃くなっています。活性酸素を消去して、コラーゲンの合成を促進するには、それくらいの、濃度が必要なのです。