ビューティ・コラムcolumn

第49回 ピクセルの組織学的変化:ピクセルが肌を変えます。

Pixelを照射することで、法令線、眼の下のたるみが劇的に改善しています。顔全体が引き締まり、毛穴も閉じて、肌の質感も増加しています。これがPixelのアンチエイジング作用です。そのメカニズムを解説しましょう。

ピクセルがクレーターに有効なことはもうご存知だと思います。ピクセルは年齢を重ねることにより低下するコラーゲンや表皮細胞を増加させる作用、つまり代謝促進作用があるのです。クレーターが治ったのに、あるいは最初からクレーターがないにもかかわらず定期的にピクセルの照射を希望する方がいます。ピクセルは11ミリ四方の皮膚に81の穴を開けます。照射した後を拡大したものが下の写真です。穴の部分や周囲に赤みはまったくありません。また穴からのジュクジュクした浸出液もありません。なぜこのように皮膚に穴を開けても浸出液が出ず赤みがでないのかを、青山ヒフ科クリニックでは照射後の皮膚を組織学的に解析し解明しています。穴を治す力が穴の周囲にも及び肌全体の代謝を促進することを突き止めたのです。その結果をもとに一人一人の患者様に、最適な出力を設定してトリートメントを行っています。またスキンケアやメソセラピーを併用することで治療効果は飛躍的に増加するのです。

3/5ピクセル照射後の皮膚はどうなっているのでしょう?皮膚を採って調べてみたところ、非常に興味深いことがわかりました。それはピクセル照射部位の角層はしっかり残っているけれども、その下の、表皮と真皮が変性しているという組織像なのです。皮膚の一番上にある角層が残ることで皮膚のバリア機能は残り、ダウンタイムも短いのです。でも表皮や真皮が消失、変性しているために、強力な代謝促進作用が発揮されるのです。表皮が消失するけれども角層が残るという特徴的な組織は、フラクセルやアファームなどほかのフラクショナルタイプのレーザーでは報告されていません。また水に極めてよく反応するために出力も比較的低出力ですみ、色素沈着も起こしにくいのです。

?ピクセルでは角層が残っているため皮膚のバリア機能が維持されたまま、照射部位の周りにある表皮細胞が速やかに消失した表皮を補うために増殖、移動します。周囲の真皮のコラーゲンなども増加し、照射部位に移動します。このイメージを下に示します。すなわち非常に強い創傷治癒反応や若返り反応が起こります。その結果ダウンタイムも短くなります。ピクセルはまったく新しいコンセプトのレーザーなのです。出力を上げても色素沈着を起こす可能性も劇的に低下しました。ですからたるみだけでなく、メラニンを破壊、排出することで、シミや肝斑にも効果を発揮します。

これに対して今までの炭酸ガスレーザーなどでは角層、表皮、真皮のすべてを削ってしまいます。そのため浸出液、色素沈着、二次感染や長いダウンタイムが問題になります。トータルの創傷治癒力もあまり上がりません。炭酸ガスレーザーは皮膚をピンポイントで削るホクロの治療には適しています。しかしながらコラーゲンを増やしてへこみを持ち上げるクレータの治療や顔全体の若返りにはピクセルのほうが適しています。下はそのイメージです。