ビューティ・コラムcolumn
第42回 毛穴撲滅大作戦<その3>トリプルVCセラピー、あなたの毛穴、ニキビ解決します。
フランスから来たモデルの方が、ニキビが沢山あるために日本での撮影をキャンセルされてしまいました。来週に撮影がまたあるそうです。アゴに沢山あるニキビを来週までに何とかしてほしいと来院しました。また、2週間後に挙式なのに、顔、胸、背中にニキビがいっぱいだから何とかしてきれいになって、ウエディングドレスを着たいと来院された方がいます。もちろん撮影や挙式の際にはニキビは消失していました。いったいどういう方法で治療したのでしょうか?私は下の三つの治療法を選択しました。
1.ビタミンC静脈注射2.高濃度持続活性型ビタミンCのニキビへの直接注射3.高濃度持続活性型ビタミンCのイオン導入
顔にできる赤いブツブツが沢山、ニキビって本当にいやですね。青山ヒフ科クリニックには毎日、大勢のニキビの患者様が来院します。ニキビの患者様の共通点それがストレスです。ストレスとは精神的、肉体的につらさを与えるものと、それに対する生体の反応のことです。ニキビをなくすにはストレスを減らせばいいのです。ストレスを減らすにはどうしたらいいのでしょうか?答えは簡単です。つらい仕事、バイト、勉強、子育てをやめればいいつらい仕事、バイト、勉強、子育てをやめればいいのです。でもそれができないからみんな苦しむのです。
*ストレスを減らす具体的方法の詳細についてはコラム第38回*ビタミンCの詳しい作用についてはコラム第41回を御参照ください。
ストレスを減らすには細胞にエネルギーをどんどん入れてあげればいいのです。我々にとって一番つらいこと(ストレス)は死んでしまうことです。この場合細胞レベルでは、細胞へのエネルギーの流入がストップしてしまうのです。お腹を減らして、お仕事をすることです。お腹を減らして、お仕事をするとすごくイライラします。でもおいしいものをお腹一杯食べたら、なかなかイライラしません。細胞レベルでおいしいものを一杯食べて満足をもたらすのがビタミンCの静脈注射です。ビタミンCの経口摂取では、皮膚や卵巣に十分な量のビタミンCはいきません。皮膚にビタミンCが大量にあれば、ニキビの炎症を起こす活性酸素は消去できるし、開いた毛穴を閉じるコラーゲンも増加します。卵巣にビタミンCが大量にいけば、エストロゲンの分泌も増加し、ニキビを増加させるステロイドホルモンの量も低下します。ビタミンCの静脈注射はニキビを治すだけでなく、抗ストレス作用、疲労低下作用を発揮します。
群馬から東京に通勤して疲労がたまった方が、ビタミンCを注射して元気一杯になって、ニキビもなくなりました。またニキビでは活性酸素を放出している細胞が皮膚に大量に存在します。活性酸素を消去する作用のあるビタミンCを大量に直接注入する手段が、ビタミンCをニキビに直接注射する方法なのです。青山ヒフ科クリニックのビタミンC注射は高濃度持続活性型ビタミンCを滅菌して使用するオリジナルのものです。低濃度の天然型ビタミンCを使用する一般のメソセラピーとは濃度も効果も違います。持続活性型ビタミンCのほうが天然型より肌への浸透率が高いだけでなく、細胞の外から細胞膜を通過して細胞内に入りやすいことがすでに判明しています。ニキビへの注射はアンチアクネに特化したスペシャルメソセラピーといえるでしょう。ニキビがなくなるだけでなく、コラーゲンの合成が盛んになるために、毛穴が閉じ、顔も引き締まり、クレーターも改善します。(図1-2)また顔全体に大量のビタミンCを入れる方法としてビタミンCのイオン導入があります。
青山ヒフ科クリニックでは高濃度持続活性型ビタミンCをパルスタイプのマシン(図3)でイオン導入します。パルスタイプではマイナスに荷電したビタミンC以外に、プラスに荷電したマグネシウムなどのミネラルも大量に皮膚に導入され皮膚に潤いを与えます。
持続活性型ビタミンCは水に溶かしたりジェルにしても酸化しにくい、外用した場合天然型のビタミンCに比べて、非常に浸透しやすいという特徴があります。天然型の約8倍の浸透性を持っています。またイオン導入した場合でも、天然型のビタミンCの何倍も皮膚に導入されます。なぜならもともと皮膚に対する親和性が高いのに加えて、マイナスイオンが一分子あたり3個あるのです。イオン導入は分子が荷電していることが条件ですが、天然型ビタミンCはマイナスイオンが一分子あたり1個しかありません。(図4)ですから持続活性型ビタミンCは天然型の3倍のイオンパワーで皮膚に浸透するのです。
青山ヒフ科クリニックの外用剤、ドクターケイ化粧品、そしてマグネシウム結合型の持続活性型ビタミンCを使用しています。マグネシウムには肌のバリア機能を上げる作用、代謝促進作用、抗炎症作用があるのです。余談になりますが、今話題の新しいビタミンC誘導体、パルミチン酸をビタミンCに結合させたもの(APPS)を、イオン導入あるいは超音波、フェイスパックで肌にどれだけ入るかを、毛穴の開きや色の白さを指標として実験してみましたが、パルス型のイオン導入マシンを使用した場合、マグネシウム結合型の持続活性型ビタミンCのほうがはるかにすぐれた結果でした。残念ながら超音波やパックでも結果は青山ヒフ科クリニックで使用してきた従来のビタミンC誘導体のほうが上でした。
APPSより従来の持続活性型ビタミンCのほうがすぐれているかどうか、この実験だけで結論を述べることは避けたいと思いますが、今後の検討が必要な課題だと思います。さて、これらの治療を行ってもニキビが改善したい場合どうしたらいいのでしょうか?私は以下の3つの治療を行います。これをトリプルカクテルVCトリートメントといいます。
1)ビタミンCとビタミンB群、アミノ酸のカクテル静脈注射2)持続活性型ビタミンCとディスポートのニキビへの直接注射3)毛穴レス、アンチアクネスペシャルトリートメント
ビタミンCは全ての種類の活性酸素を消去するばかりでなく、いろいろな物質を還元するという作用があります。その結果、ビタミンC自体が酸化します。酸化は2段階で起こります。持続活性型ビタミンCは肌や体の中に入ると天然型のビタミンCに変換します。通常マイナスに荷電した解離型すなわちアスコルビン酸アニオンという形で体内に存在します。それが、水素原子が一個なくなりモノデヒドロアスコルビン酸になります。これを還元させる作用をもつのがビタミンB2です。このビタミンはミトコンドリアの電子伝達系を活性化する作用もあります。もうひとつ水素原子がなくなるとデヒドロアスコルビン酸になります。これを還元する作用をもつのがグルタチオン依存性の酵素です。グルタチオンはアミノ酸の1種で解毒作用、肝臓の代謝促進作用、美白作用も持っています。また他のビタミンB群は細胞の発電機であるミトコンドリアをビタミンC同様に活性化して、ニキビを抑えるホルモンであるエンドルフィンやエストロゲンの分泌を盛んにします。また非常に強力な活性酸素の消去作用、作用、ストレス抹殺作用を発揮して、体も神経も元気にします。神経細胞を元気にするので軽いうつ状態なら改善することもあります。私も週に1回はカクテル静脈注射をしています。肌もツルツルになります。すなわち、ビタミンB群やアミノ酸はビタミンCの活性酸素消去作用をより強力にサポートするのです。ニキビは活性酸素病ですから、ビタミンC単独を注射するより、はるかに強い、アンチアクネ作用が発揮されるのです。ディスポートはもともと筋肉に注射して表情ジワを改善するものですが、非常に強力な皮脂分泌抑制作用を持っています。ニキビは皮脂の過剰分泌を背景とした活性酸素病です。皮脂の分泌が低下すれば、肌の炎症をひきおこす活性酸素も生じなくなるわけです。ディスポートはビタミンC同様にコラーゲンの合成促進作用もあります。ですからニキビが治るだけでなく、毛穴も閉じて顔全体がリフトアップします。ディスポートはその作用期間が非常に長いという特徴を持っています。ですから頑固なニキビには持続活性型ビタミンCだけでなく、ディスポートも注射することにより、皮脂分泌抑制、活性酸素の消去という2つの作用が発揮されニキビを消すことが可能になるのです。皮脂の分泌を促進するものとしてストレスがあります。ストレスを根本から低下させるのが、ビタミンCを中心としたカクテル注射です。これにより、皮脂の分泌を促進する副腎皮質ホルモン(ステロイド)や男性ホルモンの分泌は大幅に低下します。
体質的にニキビができやすい人では男性ホルモンの量が多いという報告があります。男性ホルモン作用を持つ黄体ホルモン活性を下げる、抗黄体ホルモン療法がありますが私はこの方法は賛成しません。なぜなら発ガンの可能性が大幅に上がるからです。皮膚レベルで男性ホルモンをブロックする成分がリコカルコンAという植物エキスです。リコカルコンAは男性ホルモンをブロックするだけでなく、殺菌作用、活性酸素を消去するという理想のアンチアクネ成分です。(図5)
もちろん発ガンのリスクもありません。ビタミンCと組み合わせることで、ニキビの発生段階のすべての部分をブロックします。(図6)
当院ではディープクレンジングをして毛穴のお掃除をしてから、ケイバランスリペアやヒアルロン酸を酸素圧注入法で毛穴引き締め成分を毛穴に浸透させます。(オキシジェットといいます。) 次に高濃度持続活性型ビタミンCと高濃度リコカルコンA、そして皮脂の分泌を抑えるオウゴンエキス、セイヨウキズタエキスなどを含有したケイバランスリペアを用いてイオン導入をします。さらにニキビ毛穴抹殺で、マリクレールのボーテ優秀賞を受賞したケイエマルジョンや2007年発売のカイカクテルVリフトステップを使用したパックを行います。これら全ての治療を行うことでニキビは瞬殺可能です。 当院ではこのトリートメントを毛穴レス、アンチアクネスペシャルコースとして設定しています。前記4、5、6のトリートメントをした患者様の例です。(図7-8)
フェイスラインに大量にあったニキビはほぼ消失しています。もちろん日々のスキンケア、ビタミンC、B群、アミノ酸の内服、抗生物質の内服も行いました。高濃度ビタミンC療法の利点として、皮脂の分泌を強力に抑えることが上げられます。そのため、皮脂を餌として増殖して炎症を起こすアクネ菌が皮脂の分泌低下に伴い、大幅に減少します。その結果、治療の最初に必要だった抗生物質の内服も、やがてなしですむようになる点です。そして最後にイライラニキビがなぜかゆくなるかを説明しましょう。イライラがひどくなると交感神経からサブスタンスPというホルモンが分泌されてリンパ球よりヒスタミンが放出されカユミを引き起こします。サプスタンスPは皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を増加させニキビを悪化させます。皮脂腺はNGF(神経成長因子)というホルモンを放出して、神経を皮脂腺のそばに引っ張ってきます。その結果、肥大活性化した皮脂腺を交感神経が取り囲んで、ほんのすこしの刺激でニキビがでる様になってしますのです。(図9)
これがいつも同じところにニキビができる原因です。
これを治すにはストレス、イライラを抹殺して悪循環を断つことが必要です。悪循環抹殺の切り札がトリプルVCトリートメントやトリプルカクテルVCトリートメントなのです。これでも満足できないタルミ毛穴はリフトアップレーザーで解消します。
推奨コース【毛穴レスアンチアクネコース】
1回 18,000円(+税)