ビューティ・コラムcolumn
第6回 体脂肪を減らしてスリムなボディを
第5回老化とストレスについて:いつまでも美しい肌を、のコラムでストレス解消のために運動をしたところ2ヶ月で9kgの減量にも成功したと書きました。読者の方でも、最近どうも太り気味だわと悩んでいる方が大勢いると思います。
太りすぎとはいえないまでも、もう少しウェストを引き締めたい、もう少しヒップアップさせたいと考えている方もいることでしょう。もともと女性は男性に比べて体に脂肪がつきやすいのです。男性と女性を比べて脂肪の割合が一番異なるのは特に腹部からお尻にかけてです。なぜ女性ではこれらの部分に脂肪が多いのでしょうか?
脂肪細胞の役割として1)エネルギーの貯蔵、2)断熱効果、3)衝撃吸収の3つが上げられます。男性と異なり女性には大事な使命があります。
それは次世代に子孫を残すということです。女性は多少の飢餓状態にあっても、生き延びなくてはなりません。そのためにエネルギーが必要であり、また大事な子宮や卵巣を低温や衝撃から守るために多くの脂肪が必要とされるのです。このように大切な働きな働きをする脂肪も多すぎては体型をくずし、せっかく購入した最新のスーツも、着こなすことができないようになってしまいます。ここでホルモンによる脂肪の代謝経路について述べてみます。我々は飢えた状態では脂肪を分解する方向に代謝が進みます。このときグルカゴンというホルモンが分泌されます。グルカゴンはアデニル酸シクラーゼという酵素を活性化します。この酵素は脂肪を分解するリパーゼという酵素を活性化し、脂肪がどんどん分解され、血液中にエネルギーが供給されるようになります。一方満腹状態では脂肪を合成する方向に代謝が向かいます。このときインシュリンという中にエネルギーが供給されるようになります。一方満腹状態では脂肪を合成する方向に代謝が向かいます。このときインシュリンというホルモンが分泌されフォスフォジエステラーゼという酵素が活性化されます。この酵素は脂肪を分解するリパーゼの働きをブロックします。それでは効率よく脂肪を減らすにはどうしたらいいのでしょうか?答えは脂肪を分解する働きをもつアデニル酸シクラーゼを活性化させ、脂肪を合成するフォスフォジエステラーゼを不活化すればよいということになります。そこでこれらの作用を持つタンジンエキスやマテエキスを配合したスリミングローションを作成しました。問題はこれらのエキスが本当に皮膚を通じて皮下脂肪まで到達できるかということです。
以前は我々の皮膚は分子量数千までのものしか吸収できないと考えられていましたが、現在は分子量数万のものまで、皮膚に吸収されることが判明しています。また分子量が小さい物質は真皮を貫通して皮下脂肪まで到達することが判明しています。分子量が小さい物質は真皮を貫通して皮下脂肪まで到達することが判明しています。青山ヒフ科クリニックのビタミンCはマグネシウムが結合していますが、マグネシウムは皮膚の代謝を促進し、血流を良くする作用を持っています。マロニエエキスは水分の排出作用を持っています。マグネシウムやマロニエエキスの作用はむくみの解消に有効です。ビタミンCを含むこれらのエキスを配合したスリミングローションを作成し、早速、患者さんに使用してみました。半年の使用後の状態でコラーゲンの合成を促進し顔を引き締めるビタミンCによる顔の引き締め作用だけでなく、頬骨の上の柔らかい脂肪組織も減少し顔全体が小さくなっています。また別の方には顔だけでなく、バストを除く、全身に大量に使用(2週間で約200mlから300ml)使用しました。外用法は1日2回です。半年後には体重7kg低下、体脂肪も4kg低下しました。もちろんこの患者さんには常に腹8分の食事を心がけていただきました。余談になりますが、スリミングローションを患者さんの顔に使用したところ、ニキビがなおったという方が続出しました。第1に考えられるのは添加したビタミンCの作用があります。わたしはもうひとつの可能性も考えました。ニキビは脂肪の分泌が多すぎて活性酸素が悪さをする病気です。では脂肪の合成を抑え、分解を促進する、タンジンエキスなどが効果を発揮している可能性があるのではと考えました。