第39回

老化撲滅大作戦<その9>コラーゲン注射はサプリメント注射:自前のコラーゲンが増えて、顔が引き締まり、クレーターも治ります。



1999年3月に青山ヒフ科クリニックを開院して満6年半がたちました。
開業当時は仕事が終わっても圧倒的なストレスにより、交感神経の緊張が解除できずに、夜も眠れない、肩もこる、
血圧も200近くまで上ってしまうという事態になってしまいました。
これを解決するために、“老化撲滅大作戦その1”や“脳内麻薬は皮膚麻薬”で述べたように、ビタミンCを中心として
各種ビタミンをとり、好きな音楽を聞きながら、運動を毎朝するようになりました。
そして運動後はアセロラジュースをのみ、沈静作用のあるラベンダーのバスエッセンスをお風呂にいれて、
大好きなキースジャレットのピアノの旋律に浸りながら、本も読ますにぼけっととした、自分だけのゆったりとした時間を作るようにしてストレスを解消するようにしました。
これらの行為は脳内麻薬であるエンドルフィンを増やすことになるのです。
ストレスは体内に活性酸素をたくさん生じ、老化を促進することはよく知られています。
老化に伴いわれわれの肌や体にはふたつの事が起こります。
そのひとつが“代謝速度の低下”そしてもうひとつが“活性酸素によるダメージの蓄積です。
ですからアンチエイジングとして“代謝をあげて活性酸素を消去する"ということをすればいいことになるのです。
この二つの作用を併せ持つのがビタミンCなのです。
ビタミンCは培養細胞レベルで、肌の細胞の分裂を促進して、そしてより長い間分裂を繰り返すことが知られています。
また第29回のコラムにて述べたように、ビタミンCはストレスの指標であるステロイドホルモンのレベルを下げ、多幸感をもたらすエンドルフィンの誘導作用があります。
すなわち、ビタミンCをとることにより、ストレスを軽減し活き活きとした人生をより長く継続することができるようになるのです。
私は開業2年目から運動を継続してきましたが、やはり少しずつ老化が進んできました。
2004年の3月にドクターケイの宣伝用にとった写真ですが、なんとなく顔全体に張りがなくなり、特に口の周りのしわ、
いわゆる法令線が深くなっています。(図1)

2004年の10月に再び宣伝用の写真をとることにしました。
そこで私は左右の法令線の上にコラーゲンを2本ずつ、口の下に1本ずつ合計6本、自分で注射しました。
その結果驚くべきことが私の顔に起こりました。
なんと注射をした直後から両頬が急激にしまり、顔全体のキメや弾力が増したのです。(図2)
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この時、一部の患者さんから「先生、何かしたでしょう」といわれました。
顔全体が引き締まって肌もツヤツヤしていますよといわれたのです。
図1、図2の写真とも笑っている写真なので、そうでない写真を比べてみましょう。
図3は、2003年9月のものです。
まだコラーゲン注射はしていません。
図4は、2004年11月のもので、10月にコラーゲンを注射して1ヵ月後のものです。
顔全体に張りとツヤが出ているのがおわかりいただけると思います。
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そして2005年1月に左右の法令線に1本ずつ再注射しました。その1ヵ月後が図5です。
法令線が浅くなるだけでなく顔全体がどんどん引き締まってきたのがお分かりいただけると思います。
そして2月に法令線だけでなく、目尻・こめかみに注射したところ驚いたことに一気に顔が上がりました。
2005年3月の写真(図6)
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5月の連休の前に両頬、眼尻に注射したところ、もっと顔が締まりました6月の写真です。(図7)
そして7月8日に眼の下のクマの部分と目尻に透明なコラーゲンを注射しました。
4日後(図8)、12日後(図9)の写真です。
眼の下のタルミや小じわが日ごとに改善しています。
そして8月25日に目尻、額に注射したところ、眼が大きくなってきました。
その2日後、8月27日のものです(図10)
この状態を2004年11月と比較すると、顔全体が引き締まり、リフトアップしている様子がよくわかります。

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この女性(図11)は20代後半の女性で、法令線、顔のたるみ、くすみ、そしてニキビあとのクレーターが気になるといって来院されました。
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青山ヒフ科クリニックの各種外用剤だけでなく、牛のコラーゲンを法令線とクレーターに注射しました。
クレーターは5年以上前の古いクレーターなので、以前はフラットであったというメモリーがなくなっています。
2、3年前にできたクレーターなら、レーザーピーリング、ケミカルピーリングと外用剤で治すことが可能ですが、古いクレーターの場合はそれだけでは無理です。
このような古いクレーターは炭酸ガスレーザーで表面を軽く削ったあとに、2週間に1回コラーゲンを注射しました。
その後、顔全体に低出力アレキサンドライトレーザーを照射しました。
治療開始前の写真はやや微笑んでいます。
法令線には治療開始時2mLの牛のコラーゲンを注入しました。
治療後法令線の程度は軽くなり、皮膚も白くなり、両頬が引き締まっているのがよくわかると思います。
写真は治療開始後1ヶ月(図12)、3ヶ月(図13)のものです。
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また、頬のクレーターも治療開始前(図14)と治療開始後3ヶ月(図15)で大きく改善し、へこみがほとんど目立たなくなっています。
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私は毎日のビタミンCやレチノールのスキンケア、Dysportの目尻や額への定期的な注射や低出力レーザーは行っていましたが、
コラーゲン注射を開始した後はコラーゲン注射でどこまで顔が変化するかを見るために低出力レーザーやDysportはあえて中止しました。
ビタミンCやレチノールなどの外用はコラーゲン使用前と使用後で同じように行っています。
私はレモンをかじったり、アセロラジュースを飲んでビタミンCを摂取するだけ、あるいは低出力レーザーを照射したりなどの、
細胞にエネルギーを与える行為をすると、すぐに両頬の筋肉が締まるという特異な体質をしています。
これは毎日ビタミンC、B、などの各種ビタミン類をとり、そのあとすぐに運動するという行為を繰り返してきた結果だと思います。
すなわち運動後に消費したビタミンやエネルギーをすぐに獲得きた結果であり、エネルギーをすぐに獲得するという体質になったのだと思います。
以前、取材にきた編集部の方で、ハーフマラソンをしているという方がいました。
この方もビタミンCの静脈注射をした直後に数分で両頬が急激にしまりリフトアップしました。
人間は少しずつ運動をすると肺での酸素の摂取量が増加し、心臓からの血流も増加し、体内の細胞の代謝が促進して、
なおかつ活性酸素の消去能が増加することが知られています。
アンチエイジングの決め手は、快適な運動、各種ビタミンの摂取、スキンケア、低出力レーザーやdysportの注射などがありますが、そしてもうひとつの決め手がコラーゲンの注射だと思います。
自分で注射してしみじみそれを実感しました。
ビタミンCはコラーゲンの合成に欠かすことができないこともよく知られている事実です。
コラーゲンの注射とともにビタミンCをとる事が、自前のコラーゲンを作るのに大切なことだと思います。
ほくろを削ったあとに、ビタミンC、低出力レーザーだけでなく、少量のコラーゲンを注射するとホクロを取ったあとのへこみが劇的に改善することも最近わかりました。
牛だけでなく人のコラーゲンも利用可能になり、アレルギーの可能性もほとんどなくなりました。
私の場合、法令線にコラーゲンを注射すると、数分で両頬がリフトアップしてきます。
何回もコラーゲン注射を繰り返している方、いつも運動をしている方もコラーゲン注射後すぐに顔が反応します。
わたしの場合、眉間に注射すると数分で眼が大きくなり、目尻に注射しても数分で目尻が上がってきます。
また眼の下のクマやタルミに注射した場合、私のようにあっという間になくなる方もいれば、逆にタルミが目立ってしまう方も残念ながら少数います。
そこで私は眼の下のタルミの場合大量に注射するのではなく、少しずつ注射するようにしています。
また最初はコラーゲン注射に反応が悪い方でも、何回も注射を繰り返していると、すぐに顔が引き締まるようになリます。
通常コラーゲンは白色をしています。
ですから眼の下に入れた場合、眼の下に皮膚が白く見える場合があります。
これは特に皮膚の薄い方の場合、ほぼ100%出現します。
この現象は利点にも欠点にもなります。
眼の下の黒いクマが気になると言う場合には、透明なコラーゲンでは黒い色は消せませんが、白いコラーゲンを注射した場合、クマの色はほとんど目立たなくなります。
目尻に眼の下のシワや目尻に白いコラーゲンを入れた場合、不自然に肌が白く見えることがあります。
そのような場合には透明なコラーゲンを選択します。
最近ヒトのコラーゲンも使用可能になりました。
ヒトのコラーゲンの場合、アメリカではアレルギー反応なしで大丈夫とFDAが許可しています。
しかしながら私はヒトのコラーゲンでも必ず皮内反応をするようにしております。
なぜならごくまれにヒトのコラーゲンでも皮内反応陽性の方がいるからです。
牛のコラーゲンが陽性の方でも、ヒトのコラーゲンの皮内反応が陰性であればもちろん使用可能です。
私の患者さんで牛のコラーゲンは陰性だがヒトのコラーゲンで陽性になった方が1名います。
青山ヒフ科クリニックでは透明と白色の牛のコラーゲン、白色のヒトのコラーゲンを使用しています。

皮内反応が陰性でも大量に牛のコラーゲンを注射すると、ごくまれに、数千人に一人くらいの割合で軽い発赤を呈する方もいます。
この方の軽い赤みは約1ヶ月で消失しました。
眼の下にコラーゲンを入れ数千人に一人くらいの割合で軽い発赤を呈する方もいます。
眼の下に入れて、デコボコにならないようにするには高度なテクニックが必要です。
図8は眼の下にコラーゲンを入れて4日後、眼の下はフラットでまったくデコボコしていないのがおわかりいただけると思います。
そして12日ごと時間がたつにつれて、眼の下のタルミ、膨らみが改善していく様子がわかると思います。
コラーゲンを注射すると私の場合すぐに顔がリフトアップし、顔がつやつやとしてきます。
コラーゲン注射は皮膚のシワの溝を埋めるがけでなく、皮膚に栄養を与えるサプリメント効果をも持っているのです。
コラーゲン注射でリフトアップなどの反応がないヒトでもそれを繰り返すことにより、顔が引き締まるようになります。

私のコラーゲンの注射方法は独特です。
溝に入れるだけでなく、クマの上に注射したり、顔を引き上げる方向に注射します。
内出血もあまりありません。
この注射法は私自身に注射する際に私自身が考案した方法です。
コラーゲン注射はヒアルロン酸のように注射後、不自然に肌が硬くなることもありません。

なぜコラーゲンはリフトアップ作用を発揮するのでしょうか?
いままで化粧品に配合されてきたコラーゲンは分子量が大きいので、皮膚のなかに吸収されず、皮膚の表面にとどまって、保湿作用や、炎症を抑える作用を発揮してきました。
つい最近低分子のコラーゲンが、開発されて化粧品に配合されるようになりました。このコラーゲンは肌に吸収され、コラーゲン合成を盛んにすることが報告されています。
コラーゲン注射をするということは、化粧品とは比べ物にならない、大量のコラーゲンを一気に肌のなかに入れることになります。

1)注入されたコラーゲンが、コラーゲンを産生する繊維芽細胞を刺激してコラーゲン産生を増加させること
2)コラーゲンそのものが、肌の栄養源になっていること。

このふたつの理由により肌のコラーゲン合成や代謝が上がり、アンチエイジング作用を発揮するのでしょう。
コラーゲン注射はサプリメント注射であると、今私はしみじみ実感しています。
コラーゲンを採取する牛は、コラーゲンを取るためだけに隔離された施設で飼育された健康な牛だけを使用しており、ヒトにBSEを起こすことはまったくありません。
ヒトのコラーゲンは健康なヒトの皮膚から採取した細胞を培養して、コラーゲンを精製したもので、あらゆるウィルスがいないということを確認しています。
またBSEを引き起こす異常プリオンはBSEにかかったヒトでも肌にはいないとされています。