第36回

老化撲滅大作戦<その7>温故知新:ビタミンC静脈注射はすごい、乾燥肌、にきび、シミ、 くすみ、たるみ、疲労を改善し、なんと生理まで回復!



以前、油溶性ビタミンC誘導体の可能性についてHPで解説しました。
この時ビタミンCの本質的な作用は、“細胞の代謝を上げて、活性酸素を消去"と述べました。
エイジングによって代謝が下がり、活性酸素の蓄積が起こることはもうご存知だと思います。ビタミンCはまさにアンチエイジング作用を持っているわけです。そしてもうひとつ、肌の細胞に際しては、表皮角化細胞の増殖を促進してバリア機能をアップするのです。
肌のバリア機能を回復する目的で作製した、ケイモイスチャー(注:2016年時点終売商品)をアトピー性皮膚炎の患者さんに使用したところ、乾燥肌はまったく消失してかゆみもしわもなくなりました(図1)
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またこれはスポーツ医学では常識ですが、ヒトでも各種ビタミンやアミノ酸などの内服をしても皮膚には十分な量の成分が行き渡っていないのです。まずこれらの成分が腸で吸収される際に、腸の細胞がエネルギーを必要として、これらの成分を消費してしまいます。そしてその後、ビタミンAなどは肝臓に行ってしまいます。

水溶性のビタミンCなどは脳、心臓、ホルモンを作る副腎などに優先配分されるのです。
これらのジレンマを解決するために考えたのが、ビタミンCの静脈注射です。
ビタミンCは大量に摂取すると腎臓に結石を作ることがあるといわれていましたが、現在そのような事実は否定されています。
私の患者さんでシンガポールから定期的に来院されている患者さんがいます。
この方は軽いアトピー性皮膚炎と老人性色素斑を持っています。
日本に滞在中はビタミンCの皮膚への注射でシミはなくなるのですが、何とかアトピー性皮膚炎を早く直す方法はないかと考えました。

先ほど述べたように、ビタミンCを腸を経由せずに直接静脈に入れてあげれば…スムーズに皮膚に入るのではと考えました。
このアトピー性皮膚炎の患者さんに注射を週1回行ったところ、2回めに来院されたときにはすでにアトピー性皮膚炎は治っていました。患者さんは注射後1週間はカユミがまったくなくなるそうです。

ビタミンCを注射で肌と静脈に入れることを繰り返すうちに、シミが消えただけでなく、地肌も白くなり、毛穴が閉じて、フェイスラ
インもシャープになってきました。すなわち、ビタミンCの肌に対する作用すべてが速やかに出現しました。またぜんぜん疲れなくなって、肩もこらなくなったとの事でした。
私も自分にビタミンCを注射してみました。
ちなみに私はアトピー性皮膚炎の患者同様に毎日3グラムのビタミンCを経口摂取しています。
その結果、驚くべきことが起こりました。
注射後すぐ両頬が引き締まり、体がポカポカしてきました。
ここ数日便秘気味だったのですが、すぐに腸が動き出す気配を感じ、10分後にはトイレにいってすっきりしました。
その日、外来はとても込んでいていつもは終わるとぐったりするのですが、まったく疲れがこないのです。
すぐさま私は“今日はこれから靖国神社に花見だ"と言ってクリニックを後にしたのでした。
ビタミンCの注射はアトピー性皮膚炎や乾燥肌だけでなく、ニキビ、シミ、くすみ、たるみにも有効です。
さらに驚いたことには、20代の女性で生理はまったくなく、婦人科でホルモン療法をしていた患者さんに、ニキビの治療のためにビタミンCを注射したところ、すぐ生理が始まったというのです。
ストレスがあるといろいろなストレスホルモンの分泌が盛んになります。
各種ホルモンの分泌にも合成にもなくてはならないのがビタミンCです。
きっとホルモンの合成にビタミンCがどんどん使用されてしまい、子宮や卵巣に充分な量のビタミンCが行き渡っていなかったのでしょう。
なかった生理がちゃんと始まったと言う患者さんは続出しています。

こどものころからの難聴が治ってしまった方、高血圧が治った方、糖尿病が軽快した方などが続出しました。
冷え性や、肥満にも有効でした。
また大勢の女性がむくみに悩んでいます。
ビタミンCを注射するとむくみが改善します。
ビタミンCが欠乏すると血管から血液が漏れて、紫斑や出血斑を形成します。
いわゆる壊血病という状態です。これは血管を構成するコラーゲンがもろくなって血が血管から漏れるためです。

そこまではいかないが、血液中の液体成分がじっくりじわじわ漏れてくるのがむくみなのです。
これがビタミンCの注射によって血管でコラーゲンがしっかり作られるために、むくみが改善するのでしょう。
そこで私はビタミンCを経口で大量に摂取した場合にどのような作用が期待できるかを調べてみました。

日本ビタミン学会編集のビタミンの辞典によると…
1)酸化窒素生成抑制作用
2)抗腫瘍作用
3)動脈硬化抑制作用(血液中の善玉コレステロール増加、中性脂肪低下)
4)血圧低下作用
5)壊血病防止
6)出血、薬物、毒物中毒の治癒機能促進(キレーティング作用)
7)シミ、そばかす、炎症性色素沈着の改善
8)日焼け後の炎症の改善
9)貧血の防止(鉄の吸収促進)
10)疲労低下作用
11)抗ヒスタミン作用(抗アレルギー作用)
12)抗ストレス作用
13)インスリン様の血糖効果作用…

などが報告されています。
このようにビタミンCは経口で摂取しても様々な全身的、局所的効果を発揮するのですが、そのような効果をより速やかに発揮するのが静脈注射なのでしょう。

ご主人の釣り舟で昼寝をして数時間直射日光を浴びたら、そこが赤くなってしまった。
どうしても日焼けしたくないという方が、来院されました。
ビタミンCの静脈注射をしたところ、数分で赤みが消えてしまったのです。
またニキビの前段階で、赤ら顔で毛穴が開く、脂漏性皮膚炎という病気があります。
これはTゾーンを中心にストレスによって生じます。
ある雑誌でビタミンCの注射の取材がありました。カメラマンの方が脂漏性皮膚炎なのです。
この病気はニキビの前段階です。
取材前にビタミンCを注射したところ、1時間後に撮影を終えて帰るときにはまったく顔の赤みがなくなってしまいました。
この方はビタミンCをサプリメントでとる習慣がないということで、極端なビタミンC不足になってしまったのでしょう。
ビタミンCの辞典にはニキビに効果があるとは記載されていませんでした。
これは私が世界に先駆けて、ニキビにビタミンCが有効であるという論文を書いたのがそれ以降のためなのでしょう。
またビタミンCはコラーゲンの合成を盛んにしてフェイスラインをシャープにするという作用もあります。
きっとビタミンC学会の方で皮膚科の専門の方がいないために、そのような記載が漏れてしまったのでしょう。
私は自分で1グラムのビタミンCを静脈注射して、その効果にびっくりしました。
そこで私の血液中のビタミンCの濃度変化を測定してみました。
私はもともと大量のビタミンCを経口摂取しているため、静脈注射直前には2.4mg/dl(100mlの血液中に2.4ミリグラムあるということです)でした。

それが注射10分後には8.9mg/dlに増加しました。
そして1時間後には4.8mg/dlに低下していました。
そして注射3時間後には2.5mg/mlとほぼ注射前のレベルに戻ってしまいました。
その後のデータは注射前のデータとほぼ同じレベルでした。
ところが体がポカポカするという状態は朝注射をしてその日の夜だけでなく、何日も継続したのでした。
またビタミンCは1から数グラム単位で注射します。
するともし循環血液量が4リットルとした場合、たとえば1グラム注射した場合100mlの血液中に25mgのビタミンCが注射によって増加するはずです。
ですから10分以内の尿中の排泄量がゼロだとすると、もとの2.4mg/dlプラス25mg/dlで27から28mg/dlの濃度になるはずです。
しかしながら実際には2.4mg/dlから8.9mg/dlとわずか6.5mg/dlしか増加しなかったのです。
これは予想したビタミンCの増加のわずか25%です。
なぜこれだけしか増えなかったのでしょうか?
尿中のビタミンCの濃度を測定していなかったので、これはあくまでも推測ですが体中のビタミンCが欠乏している皮膚や血管、子宮、卵巣など命の維持に直接関係ない臓器に吸収されていったのだと思います(図2)
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そう考えないと3時間後には血液中のビタミンCレベルが注射前のレベルに戻ったのに、何日も調子のいい状態が継続すると事実が説明できません。
3時間の間にあたかも砂漠に水が吸い込まれるように、ビタミンCが枯渇した細胞にビタミンCが吸収されたのでしょう。
その後ビタミンCをたっぷりと吸収した細胞は何日も調子のいい状態を維持するのでしょう。
各種ビタミンの中で、静脈注射をしても唯一、過剰症やショックがないのがビタミンCです。
残念ながら他のビタミン類は過剰症やショックなどの副作用が静脈注射の場合出ることがあります。
青山ヒフ科クリニックでは、ショックや過剰症状がないビタミンCのみを静脈注射で使用し、他のビタミン類は口から摂取してもらうようにしています。
より良い効果をより安全に、これが青山ヒフ科クリニックのポリシーです。