第33回

眼の下のクマ、眼周囲のくすみ、両頬のシミはなぜ起こるのでしょう?(1/3)<その2>両側性太田母斑様色素斑というアザにご注意!



眼の下のクマ、眼周囲のくすみ、両頬のシミはなぜ起こるのでしょう?

目の下のくまやシミが気になるという場合の原因として両側性太田母斑というアザがあります。
この病気は日本人の数%が持っていると論文でいわれていますが、実際にはもっといるのではと私は思います。
大部分の方は皮膚科の診断を受けないのでシミと思い込んでいる場合があるのではと私は推定します。

なぜなら青山ヒフ科クリニックを受診する患者さんで両側性太田母斑様色素斑の方が、多い時は一日に10名くらいの方が初診の患者さんで来院します。
またクリニックのナース3名中2名が両側性太田母斑様色素斑でした。
おそらく少なくともシミの方の少なくとも10%くらいの方は両側性太田母斑様色素斑でしょう。
この病気は20代から始まり一生をかけて少しずつアザが増加します。
アザの色は褐色からやや青み、ないしは灰色を呈します。
原因は不明です。

最初はごく薄い色素沈着が眼の下や、両頬に出現します。
この方はクマの部分に一致してごく薄い色素沈着があり、下まぶたの部分が軽度の灰色から青色を混じた色調を呈しています。
そして、直径1から数ミリの色素斑が眼の下から頬にかけて散在しています(図1)
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やがて下まぶたやクマのの部分の色素沈着は進行し、両頬にもはっきりした色素沈着が多数出現します(図2)
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少しずつ濃くなって、額の両側、鼻の頭の部分、上まぶたなどに拡大していきます。(図3-4)
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この両側製太田母斑の特徴は非常に対称性にシミが出現するということです。
通常20代からはじまり一生の間少しずつ進行していきます。
このアザでは皮膚の浅い部分の表皮と、深い部分の真皮に褐色のメラニンが増加します。
表皮のメラニンは茶色から褐色で、真皮のメラニンは肌の上から見ると灰色から青色調を呈します。
これらの表皮や真皮のメラニンが増加した結果、褐色調から青色調が入り混じった、色素斑が生じるのです。

実際に皮膚をとって調べてみますと、真皮に大量の褐色のメラニンが存在しているのが確認できます(図5)
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このアザを治療するにはQスイッチアレキサンドライトレーザーを何回も照射する必要があります。
ごく初期の場合は2,3回ですみますが、通常は最低5回から10回くらいの照射が必要です。

なぜこのようにたくさんの照射が必要なのでしょうか?
それは真皮の深いところにメラニンがあるためです。
最初は深いところのメラニンを持った細胞が破裂してメラニンが拡散して、逆に濃くなります。
しかし照射を繰り返していると、少しずつ、拡散したメラニンが熱エネルギーにより破壊され、薄くなっていきます。
この方は私がレーザーを持っていない時代の患者さんで、ハイドロキノンやアゼライン酸を10年外用してもほとんど改善しなかったのですが、レーザーを5回照射してずいぶん薄くなっています。
図6は治療前、図7は5回照射後のものです。
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アザがレーザーによって消失した後はハイドロキノンなどの美白剤を外用して維持します。
時には真皮のメラニンがなくなっても、レーザーにより表皮に色素沈着が残る場合があります。
このような場合、外用剤だけでなく、ビタミンC誘導体の皮内への注射が非常に有効です。
レーザー後は1日シールを貼る必要がありますが、その後は青山ヒフ科クリニックオリジナルの、ビタミンC誘導体クリーム、サンスクリーン作用と美白作用を併せ持つドクターケイのベースを配合したオリジナルのコンシーラーを使用することにより、照射部位をほぼ完全にカバーすることが可能です。
メイク後にはレーザー治療中ということがほとんどわからなくなります。