第31回

油溶性ビタミンC誘導体の可能性について(1/18)油溶性ビタミンCはバリア機能をアップさせ乾燥肌やアトピー性皮膚炎を改善します



油溶性のビタミンCを主成分とした、全く新しいコンセプトの保湿クリーム:ケイモイスチャークリーム<2016年現在終売商品>を開発しました。

敏感肌、乾燥肌の原因はずば敏感肌、乾燥肌のメカニズムとその対策と合わせて、いかにそのクリームを開発したかを解説します。

敏感肌、乾燥肌の原因はずばり、バリア機能の低下です。
皮膚のバリアを増加させることで、うるおいのある肌を取り戻すことと可能とする、それがケイモイスチャークリームです。
ビタミンCはシミ、クスミ、シワ、タルミ、ニキビ、赤ら顔に効果があることはすでにご存知ですね。
シミ、クスミを治すには活性酸素を消去して、メラニン産生を抑えればいいのです。シワ、タルミはエイジングの代表です。
老化に伴いふたつの現象が起こります。
それは代謝速度の低下と活性酸素のダメージの蓄積が起こります。
ですから代謝を上げて、活性酸素を消去すれば若い肌を取り戻すことができるのです。
ビタミンCはこの2つの作用を合わせ持っています。またにきびは皮脂の過剰分泌を背景とした活性酸素病です。
ですから皮脂の分泌を抑えて、活性酸素を消去すればいいのです。もちろんビタミンCはこの2つの作用も持っています。
これが、ビタミンCが美容の切り札といわれる所以です。

これらビタミンCの各疾患に対する作用を図1に示します。
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そしてその効果は単なる天然型のビタミンCであるL-アスコルビン酸ではなく、マグネシウム結合型の誘導体(VC-PMG)の方が優れているのです。
天然型のアスコルビン酸は内服するにはいいのですが、水に溶かしたりするとすぐに酸化してしまうという致命的な欠点があります。
また培養細胞レベルでも細胞への吸収性はVC-PMGのほうが約4倍から8倍いいというデータがあるのです。
細胞膜は脂質を含んでいるために油に対する親和性がVC-PMGのほうがアスコルビン酸より高いために起こる現象です。
図2に天然型のビタミンCとVC-PMGの構造を示します。
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左に存在するのが天然型ですが、一番上の水素(H)が取れてしまい酸化してしまうのです。
ビタミンCは上から2番目の水素が解離してマイナスに荷電しています。
通常水にとかすとすみやかに解離型となります。
右に示すVC-PMGの場合では、一番上の水素の位置にあたる部位にリン酸がついていて、酸化しないようになっています。
またVC-PMGの本体2分子に対して3個のマグネシウム原子が結合している塩の形をしています。
細胞内に入るとアシッドフォスファターゼという酵素の作用によりリン酸の部分が外れて、ビタミンCとしての作用を発揮します。

さてもうひとつ、避けてはならない大きな皮膚のトラブルとして乾燥肌、敏感肌があります。
生まれつきの乾燥肌の方もいれば、繊維芽細胞を活性化するエストロゲンの低下や代謝速度の低下、いわゆる更年期や老化現象により肌が乾燥し、潤いのない、かさついて透明感のない肌になった方もいます。
これらの場合、肌が敏感になって乾燥する場合もあります。
これらのトラブルを解消するにはバリア機能を強化し、肌の代謝を促進し、皮脂や水分の供給を促進し、カユミを起こすヒスタミンを抑制すればいいのです。
これらを図3にまとめます。
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いままで“ビタミンCは細胞内にエネルギーを補給し代謝を促進して、活性酸素を消去するということは良く知られてきました。
最近培養細胞や動物を使った実験で、非常に興味深いビタミンCの作用が報告されています。
それは、第一に表皮角化細胞の増殖と分化を促進すること、第二に角質細胞間脂質のひとつであるセラミドの合成を促進して肌のバリア機能を強化すると言う事実です。
これらのビタミンCの作用を図4にまとめます。
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敏感肌や乾燥肌に高濃度のVC-PMGを外用した場合、具合の悪いことが起こります。
VC-PMGは塩なので、浸透圧の関係で皮膚の水と油を吸ってしまい、乾燥肌を促進してしまうのです。
そこで乾燥肌の方に高濃度で使用できるビタミンCとして開発されたのが、油溶解性ビタミンC誘導体であるテトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP)です。
VC-IPは天然のビタミンCの水素がついている部分4箇所に、水素の変わりに長鎖の脂肪酸を結合させたものです。
バターのようにしっとりとした、いくら高濃度にしてもひりつきのないビタミンCです。
生体内に吸収されると酵素の働きにより脂肪酸の部分が切断され、活性型ビタミンCと遊離脂肪酸に分離します。
これを図5にまとめます。
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さて皮膚の断面図を改めてチェックしましょう。
真皮には水分が約75%あり、ここにある栄養成分が基底膜を通過し表皮角化細胞に栄養を与えつつ上にあがっていき、角質層や皮脂膜を通過して、少しずつ大気中に蒸発していきます。
先ほど述べた表皮角化細胞の増殖と分化とは表皮の一番下にある基底細胞が分裂を繰り返しながら上に上がっていって、顆粒層を経て、角質層の角質細胞、角質細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)に分化することを指します(図6)
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これを模式的にしたのが図7です。
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表皮までは75%の水分があるにもかかわらず、顆粒層から上の角質層では水分は30%しかありません。
真皮にはコラーゲンはヒアルロン酸などの水を保つ性質があるヒアルロン酸やコラーゲンがあります。
これらの成分は化粧品には“保水性の保湿剤"として使用されています。角質層や皮脂膜には水分を閉じ込める作用のある皮脂があります。
角質層や皮脂膜には水分を閉じ込める作用のある皮脂があります。
これらの成分を化粧品に配合した場合“閉塞性の保湿剤"と言います。
スクアランなどがその代表です。
今までの保湿剤にはこれらを組み合わせたものが主体です。
最近、皮膚のバリア機能の中心的役割を果たしているのがセラミドを中心とする角質細胞間脂質ということが明らかになりました。
自らの角質細胞間脂質の合成を盛んにしてバリア機能を促進すると言う保湿剤は今までありませんでした。

さてこの顆粒層の表皮角化細胞ではいったい何が起こっているのでしょうか?
その様子を図8に示します。
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表皮角化細胞のなかではミトコンドリアという細胞の発電機からアデノシン3リン酸(ATP)という高エネルギー物質が産生されます。
そしてATPをエネルギー源として、小胞体という細胞内小器官で遊離脂肪酸、コレステロール、セラミドや蛋白の合成が行われます。
小胞体はいわば細胞内での物質の生産工場といえるでしょう。
そして出来上がった製品はゴルジ体という配送センターに送られ、分泌小胞というトラックに乗って細胞の外に分泌されます。
細胞外に放出された脂質はセラミドが50%、コレステロールが30%、脂肪酸が20%をしめています。この中でセラミドがバリア機能の中心的役割を果たしています。
脂質を放出した表皮角化細胞は小さくなって主としてケラチンからなる角質細胞となります。
角質細胞のなかにはアミノ酸や尿素からなる天然保湿因子(NMF)が存在します。
この細胞の周りを角質肥厚膜と言う丈夫な膜が覆います。
角層は角質細胞をブロックとして角質細胞間脂質をセメントとした一種の建築物といえるのです。

そうです、角層はバリアー機能を営むことを目的とした建築物なのです。
最近セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸この3種の脂質を一緒に外用すると表皮角化細胞がそれを吸収して自前の3種の脂質を合成して、角質細胞間脂質が増加してバリア機能が増加するという報告がありました。
そこで私はこの3種類の脂質を保湿クリームに加えました。

ミトコンドリアは細胞の発電機でATPを産生する工場です。
ミトコンドリアは1個の細胞の細胞質に約2000個あります。
ミトコンドリアはヘム色素を持っているために赤褐色です。
そして低出力レーザーを照射するとミトコンドリアが活性化して大量のATPを産生することはすでに低出力レーザーのメカニズムの項目で述べました。
詳しくはそちらの項目をご参照ください。
我々が生きていくためには、食べ物から栄養分を摂る必要があります。
特に3大栄養素を食べると炭水化物はグルコースをへてピルビン酸に分解され、蛋白質はアミノ酸に分解され、そして脂肪は脂肪酸に分解されて、体のなかの肌を含む各細胞のミトコンドリアに運ばれます。
そこでクエン酸回路、電子伝達系を介して、ATPが作られるのです(図9)
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ATPは3つの役割を持っています。
それは第一に各種イオンや有機物、老廃物などの輸送、第二に筋肉運動、そして第三に細胞における脂質や蛋白質など各種化合物の合成です(図10)
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さて今まであまり知られていない事実なのですが、脂肪酸がミトコンドリアのなかに入るにはカルニチンという物質がアミノ酸であるリジンから合成される必要があります。
3大栄養素のなかで一番カロリーが高いのが脂肪です。
すなわち脂肪がカルニチンのおかげで(9/18)リジンから合成される必要があります。
3大栄養素のなかで一番カロリーが高いのが脂肪です。
すなわち脂肪がカルニチンのおかげでミトコンドリアに入ると、ベータ酸化という代謝をうけアセチルCoAという物質が生じます。
アセチルCoAはほかの栄養素と同様にクエン酸回路に入り、最終的にはCO2にまで分解されます。
この過程で大量のATPが産生されるのですが、そのためにはビタミンCがなくてはならないのです。
またセラミドはスフィンンゴシンという脂質に脂肪酸が結合して合成されますが、その際に脂肪酸をビタミンCで水酸化しておくとセラミドの合成が一気に増加するという報告があります。
そしてATPという高エネルギー物質を分解して利用するにはATPaseという酵素が必要ですが、この酵素はマグネシウムがなくては働かないのです。
また最近表皮角化細胞の分化と増殖をビタミンCが促進するという報告もあります。
すなわちV9/18と増殖をビタミンCが促進するという報告もあります。すなわちVC-IPを肌に塗ると活性型のビタミンCと遊離脂肪酸に分解すると言いましたが、このVC-IP由来の脂肪酸がビタミンCのおかげでどんどんミトコンドリアに入るようになり、セラミドの合成、表皮角化細胞の増殖や分化もアップするのです。
これらの関係を図11に示します。
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私が作製した保湿クリームにはVC-IPを10%配合しましたが、さらにマグネシウムも配合してATPを利用しやすくしてあります。
マグネシウムが肌でとても大切な働きをしていることを説明しましょう。

乾燥肌や敏感肌の方では髪が触れただけでかゆくなる、ストッキングをはいているとかゆくなるという方がいます。
これを易刺激性といいます。実はこれは真皮に存在するリンパ球の1種である肥満細胞という細胞からかゆみを起こすヒスタミンの放出が起こり、その放出が止まらなくなってしまうために起こる現象なのです。
ハウスダストやダニに対するIgE抗原がハウスダストやダニと結合して、肥満細胞のIgE受容体に結合したり、細胞膜の表面を物理的に圧迫すると、細胞の外から細胞内にカルシウムが流入します。
これを抑えているのが、実はマグネシウムなのです。マグネシウムは細胞の外よりも内側に多いイオンです。
マグネシウムはストレスがかかると、血液中から尿中に排泄されます。
すると血液中のマグネシウム濃度が下がるために、肌の細胞から、血液中にマグネシウムが移動します。
そうすると細胞内のマグネシウム濃度が低下します。
それを補うために、今度は骨からマグネシウムだけでなく、困ったことにカルシウムも細胞内に移動してきます。
その結果、ストレスがかかると、血液中のマグネシウムは正常だけども、細胞内のマグネシウムが低下し、カルシウムが増加するという事態を引き起こすのです。
血液中は正常だが細胞内のマグネシウム濃度が低下しているという報告はすでに多数あります。
そして細胞内のマグネシウムが低下し、カルシウムが流入してくると、ヒスタミンの放出が起こります。
以前私は易刺激性を持つアトピー性皮膚炎の患者さんの、血液中のマグネシウムを測定しましたが、正常でした。
この患者さんに10/18以前私は易刺激性を持つアトピー性皮膚炎の患者さんの、血液中のマグネシウムを測定しましたが、正常でした。
この患者さんにマグネシウムを経口投与しましたが、無効でした。
しかしながら、マグネシウムの入浴剤は有効でした。
これらの結果より、皮膚にマグネシウムを補給するには、肌から吸収させる必要があるということになります。
もちろんマグネシウムは全身の細胞の代謝に必要ですから、マグネシウムを豊富に含む魚介類を摂ることは必要です。
ビタミンC同様に、常に血液中のマグネシウムをヒタヒタにしておいて、マグネシウムを肌から吸収させること、これが賢いマグネシウムのとりかたです。

さてヒスタミンはカユミを起こすわけですが、通常は放出されたヒスタミンはヒスタミン受容体に結合します。
この受容体はベータ2アドレナリン受容体ともいいます。
そしてヒスタミンが受容体に結合すると、ATPがadenylatecyclaseという酵素の働きで分解されcAMPという物質が生じます。
このcAMPがヒスタミンの放出をストップせよというシグナルを出します。
ところがマグネシウムがないと、adenylatecyclaseが働かず、cAMPが生じません。
またcAMPを分解する酵素はphosphodiesteraseという酵素ですが、この酵素の働きはカルシウムによって活性化されます。
このcAMPを分解する高度の活性はcAMPを作るadenylatecyclaseより約100倍強いと言われています。
ですから、細胞内のマグネシウムが不足してカルシウムが細胞内に入り込むと、cAMPというヒスタミンの放出を止める物質が極めて不足するという深刻な事態になってしまうのです。
そしてこのときヒスタミン以外にECF-A、NCF-Aとサイトカインという物質が放出されます。
これらの物質はヒスタミンにより活性化されます。
その結果非常に深刻な事態が起こります。
これらのヒスタミンにより活性化されたECF-AなどはphospholipaseA2という酵素を活性化します。
この酵素は細胞膜を構成するリン脂質であるphosphatidylcholineを分解する作用を持っています。
その結果リン脂質はアラキドン酸という物質に分解されます。
アラキドン酸からプロスタグランディンやロイコトリエンという非常に強い炎症を起こす物質が発生します。
その結果肌荒れが起こります。
細胞膜を傷つけられた細胞も悲鳴を上げ、赤み、ひりつきを生じます。
このような事態を防ぐには、第1にマグネシウムを細胞内に補給することです。
この際大切なことは、マグネシウムを口からとるのではなく、肌に塗ることなのです。
肌の細胞内のマグネシウムが不足していても血液中のマグネシウムが正常な場合は尿中に排泄されてしまいます。
そして第2に細胞膜の修復を行うことです。
細胞膜の主成分であるリン脂質を補給すればいいのです。
その目的のために、保湿剤に大豆由来のリン脂質であるレシチンを2種類配合しました。
ひとつはレシチンを長く結合させた、レシチンポリマーです。
これで肌の表面を優しく擬似細胞膜で覆います。
そしてもうひとつ配合したのが1個1個のレシチンからなる小さなレシチンです。
レシチンが擬似細胞膜を通過して傷ついた細胞膜を修復します。

以上の結果をまとめると、マグネシウムが不足すると、真皮に存在する肥満細胞からのヒスタミンと放出がとまらず、カユミが増加し、表皮角化細胞などの細胞の細胞膜が分解され、肌荒れが起こるということになります。
これらの出来事を図12にまとめます。
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さてこのcAMPは表皮角化細胞でも大事な働きをします。
それは表皮角化細胞の分化と増殖を促進するということです。
ですから表皮角化細胞でもマグネシウムが不足するとバリア機能が低下してしまう。
そして、その現象はビタミンCがないとさらに加速すると言うことになります(図13)
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乾燥肌や敏感肌の場合、図6に示した正常皮膚と異なり、顆粒層の厚さは低下し、しっかりした、角層は形成されず剥がれかかっています。

また究極の乾燥肌、敏感肌といえるアトピー性皮膚炎では、黒い炎症性細胞が表皮内に入り込んで、表皮角化細胞に接着して、攻撃している様子がわかります。
このような状態では角層はもはや形成されていません(図14)
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このように敏感肌、乾燥肌では表皮角化細胞の分化がうまくいっていないと言うことになります。
実際にマグネシウムの入浴剤をアトピー性皮膚炎に患者さんに使用したところ、1ヵ月後には皮膚の炎症は全く消失しました(図15)
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お風呂の中のマグネシウムの濃度はわずか0.005%です。
どんな化粧品を使用しても刺激がでてしまうという敏感肌のメカニズムを考えてみましょう。
角層がしっかりしている正常部では化粧品を外用しても化粧品は少しずつしか、吸収されません。
ですから、表皮角化細胞も健やかな状態で、細胞膜もしっかりしています。
これに対して角層が消失している部位では、化粧品が一気に吸収されてしまい、表皮角化細胞にダメージを与え、細胞膜も破壊されてしまい、アラキドン酸などの強力な炎症を起こす物質が生じてしまうのです(図16)
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この状態で皮膚に刺激を与えずに有効成分を皮膚に与えるにはどうしたらいいのでしょうか?
私は細胞膜と同じリン脂質である大豆由来のレシチンを2種類配合しました。
いわゆるダブルレシチンです。
1種類はレシチンが長くつながった、レシチンポリマーです。
これで皮膚の表面を擬似細胞膜で覆ってしまうのです。
もうひとつのレシチンは単体のレシチンです。
この小さなレシチンが皮膚に入り込んで、細胞膜に障害を受けた細胞を優しく、修復するようにしました。
そしてその後に、油溶性ビタミンC、セラミド、コレステロール、ビタミンA,E、マグネシウム、ナトリウムなどが、角層がしっかりしたところも、しっかりしていないところもほぼ同じようなスピードで吸収されるようにしました(図17)
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こうして完成したのが、ケイモイスチャークリームです。

夏でも肌が乾燥してかさかさしているかたに1ヶ月外用しました。
外用前は一部の角層が剥がれかかっています。
1ヶ月後にはキメも細かくなり、皮膚全体が光沢を放つようになりました。
これはビタミンCの代謝促進作用と保湿作用の両方の結果が発揮されたことを示します(図18)
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次に軽度の乾燥肌で毛穴が開いている方にケイモイスチャークリームを使用してもらいました。
この方はすでにケイローションとケイエマルジョンを使用しているのですが、もっと潤いが欲しいという強度の乾燥肌の方です。
最初にケイローション、その次にケイモイスチャークリーム、そして最後にケイエマルジョンを塗ってもらいました。
その結果、肌がしっとりしてきました。
外用1か月後モイスチャークリーム、そして最後にケイエマルジョンを塗ってもらいました。
その結果、肌がしっとりしてきました。
外用1か月後では写真ではやや色が白くなったくらいしか変化がわかりませんが、キメを見ると変化が一目瞭然です。
一部ごわごわしたキメが非常に細かくなっています(図19)
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そして最後に究極の乾燥肌、敏感肌であるアトピー性皮膚炎の方にケイモイスチャークリームを先にそして閉塞性の保湿剤であるワセリンを後に外用しました。
外用前にもいろいろな非ステロイド外用剤を併用しましたが、肌がすぐに乾燥してしまい、粉を吹いたような状態になっています(図20)
これは剥がれかかった角層のためです。
この方の治療開始1ヵ月後には肌の粉を吹いたような状態はかなり改善されました(図21)
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そして2ヵ月後には額のシワも消失し、肌もツヤツヤとなり、撮影の際のストロボの光を反射するようになりました。
これはしっかりとした自前の角層が形成され、水分の消失も低下したためです(図22)
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角層は水分が少なくなると柔軟性がなくなります。たとえば、冬にかかとがひび割れするのもそうです。
治療前のキメが深いように見えるのは、水分の低下により、肌がごわごわした状態を反映したものです。
治療開始前、そして1ヵ月後、2ヵ月後と肌が柔軟性を取り戻していく様子がわかります。
またこの方はもともと片方だけ二重マブタだったのですが、それも回復しました。

この結果には私もびっくりしました。
ケイモイスチャークリームはこの方の肌の代謝を促進し、角質細胞間脂質の合成をあげて、バリア機能を回復したのです。
この方も含めて、5名の比較的軽症のアトピー性皮膚炎の方にケイモイスチャークリームを使用しました。
そのその結果、ひりついた方は1名いました。
残念ながらほとんど効果がない方も1名いました。
掻きこわしやびらんがあるような重症なアトピー性皮膚炎の方には使用しませんでした。
ケイモイスチャークリームを乾燥肌、敏感肌に使用した場合には、ひりつくなどの刺激症状を訴えた方も残念ながらいました。
刺激症状がない場合、ほとんどの方の乾燥肌、敏感肌は改善しました。
実際に使用する場合にはまずサンプルを使用して刺激がないことを確認してから、使用するようにしてください。
このクリームのポイントは高濃度油溶性ビタミンC誘導体、ビタミンC由来の遊離脂肪酸、コレステロース、セラミド、ダブルレシチンそしてマグネシウムです。
ビタミンCを中心に様々な脇役を配置することにより、ビタミンC外用剤の可能性がまたひとつ大きくなりました。